· 

「契約のきりふだ」って??~地域包括支援センターでの情報交換会に参加~

 

令和1年10月8日に横浜市にある地域包括支援センター内で開催された情報交換会に委員として出席してきました。

 

令和1年5月から神奈川県司法書士会の社会問題対策委員を務めています。

私の所属しているワーキングチームでは内部の会員向けの研修の企画や、外部の施設に向けての勉強会等の企画をしています。

 

  ~【契約のきりふだ】って何??~

 

【契約のきりふだ(高齢者編)】

周辺地域の民生委員とケアマネージャーの方が約20名、司法書士3名(内1名は委員会で派遣した講師役の司法書士)の参加となりました。

 

意見交換の前に行われた基調講義の基本教材として、神奈川県消費生活課が公開している【契約のきりふだ(高齢者編)】が使われました。 

これは公的施設の窓口などで配布されている冊子なのですが、神奈川県のホームページでデータで公開されています。検索するとすぐに出てきて「若者編」などもあります。

 

【契約のきりふだ(高齢者編)】では、主に架空請求や振り込め詐欺、悪徳商法などの中でも高齢者が被害に遭いやすいケースが紹介されていて、類型ごとに被害を防ぐポイントが紹介されています。

 

今回の情報交換会の開催場所になった地域は、比較的裕福な高齢者が多く悪質商法の勧誘も多発しているとのことだそうです。資産に余裕があると親族に相談することなくお金を支払えるので、被害に遭いやすくなります。

 

~「送達(そうたつ)」とは?~

 

参加者の民生委員やケアマネージャーの方がご自身や関係者の手元に届いた架空請求のハガキなどを持ってきて見せてくれました。公的機関を装うハガキは文面が不自然だったり稚拙な文章だったりします。また裁判所からの郵便は「送達」(一般的に使われる言葉ですが、手続を示す法律用語です)という特別な手続により行われ、基本的には「特別送達」によります。少なくとも裁判所からハガキ1枚でポストにインされることはありません。

 

~契約から8日(20日)を過ぎてしまってもクーリングオフ出来る?

 

講師担当の司法書士からは、消費者被害の対処としてクーリングオフについての説明もありました。「訪問販売で買ってしまった商品を8日間以内だったら理由なく無かったことに出来る」というと何となく聞いたことがある方もいると思います。クーリングオフという言葉は知っていても「でも8日間(マルチ商法などのケースでは20日間)なんてとっくに過ぎてしまっているし・・・」と諦めてしまう方も多くいるはずです。

 

ですが、その起算点がポイントとのことです。「法律で決められた記載事項をクリアした契約書面を受け取った時」から期間がスタートするからです。逆に言うと、契約書面の記載事項に不備があれば8日間(20日間)という期間はいつまで経っても満たないことになり、例えば訪問販売で商品を購入してから3ケ月後にクーリングオフ出来ることもあるということになるとのことです。

この点はまだまだ周知されていない点だと思いました。