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【高齢者虐待防止法】って?「気付き」のポイントとは?~社会問題対策委員会主催の研修会に参加~

私の所属する社会問題対策委員主催の研修会に参加してきました。

テーマは、~後見業務においてぜひ知っておきたい虐待の知識およびその対応~です。

 

・「高齢者虐待防止法」って?

 

・「セルフネグレクト」とは?

 

・高齢者虐待する人の特徴とは?

 

・後見業務における「気付き」のポイントは?

 

 

私の所属する神奈川県司法書士会の社会問題対策委員の中に設けられている「高齢者及び子ども等の権利擁護ワーキングチーム」主催の研修会(10月9日開催)に参加してきました。

 

テーマは「後見業務においてぜひ知っておきたい虐待の知識およびその対応」です。

 

 

 

私は主催者側としての参加でしたが、今回の研修は経験豊富な先輩方が全て内容を考えてくれました。前半は講義、後半は後見業務のベテラン4名(内1名はコーディネーター)によるパネルディスカッションの形式でした。

 

前半の講義では主に「高齢者虐待防止法」について教えてもらいました。

 

☆「高齢者虐待防止法」とは?

 

高齢者が尊厳のうちに生きる権利を保障することを目的として定められた法律で、虐待者を罰することを目的としているのではないとのことです。

 

高齢者虐待の防止等に関する国等の行政の責務、被虐待者の保護のための措置、養護者に対する支援のための措置等が定められています。養護者とは実際に世話をしている人、つまりここでは虐待をしてしまっている人のことです。

 

☆「セルフネグレクト」とは?

 

高齢者虐待の態様としては、身体的虐待・ネグレクト(不作為)・心理的虐待・性的虐待・経済的虐待が該当します。自己の清掃や排せつ処理を放棄してしまっている「セルフネグレクト」といい、基本的には自己決定権が尊重されているので高齢者虐待防止法の射程外とのことですが、本人の判断能力の低下や、本人の健康状態への影響、近隣住民とのトラブル等が認められる場合には行政に繋いでいく必要があるとのことです。

 

 

後半は後見業務のベテラン4名によるパネルディスカッションでした。

 

ここでは、日々の業務の経験談や考え方を中心に聴くことができました。

☆高齢者虐待する人の特徴とは?

 

特に印象的だったことは、虐待する人の特徴として極々普通の人が多いとのことです。普通に暮らしていていても、看護等で過度なストレスが原因だったり、孤独に陥ったりすることが原因で虐待するに至ってしまうとのことでした。

 

また、施設の職員等の入所者に対する不適切な対応・関係性がエスカレートして虐待に至ることがあるため、グレーゾーンを作るべきではないという考え方も印象的でした。

 

あくまでもパネリストの方1名の考え方でしたが、施設職員が入所者に対して「~くん」「~ちゃん」と呼んだり、タメ口で話すことも職員が入所者を下に見てしまっていることが原因だったりすることがあるため、そういった蔑ろ(ないがしろ)にする行為がエスカレートして虐待に至ることがあるとのことです。

 

 

 

☆後見業務における「気付き」のポイントは?

 

また、後見業務における気付きのポイントの話も業務に役立つ内容でした。

 

入所者の爪の手入れがされているか、痣(あざ)や浮腫み(むくみ)が無いかをチェックすることや、好きな話題をふったときの入所者の表情を読み取ったりすることが重要とのことでした。施設や養護者に対して「ちゃんと見ていますよ」とアピールすることと、「いつもお世話になっています」と敬意や感謝を表すことが大切とのアドバイスをいただきました。

 

私は、今回の研修では先輩方が作ったプログラムを、一般参加者と一緒に眺めているだけでしたが、次回の研修会からは内容にコミットできるようになりたいです。