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『無戸籍問題』 井戸まさえ先生をお招きした研修会。

元衆議院議員の井戸まさえ先生に

ご講義いただいた無戸籍問題

無戸籍者が生まれる法的な背景や無戸籍者の実情など

 

私が現在所属している神奈川県司法書士会の社会問題対策委員会のワーキングチーム主催で、無戸籍問題に対する取り組みで著名な元衆議院議員の井戸まさえ先生にご講義いただく研修会が開催されました。

 

当初は集合型研修会を予定していたのですが、ワーキングチームのスタッフだけが会館で立会いをして参加者はWeb参加でした。

今まさに改正の議論が進められている民法第772条(嫡出の推定)の規定上の父ではなく、血縁上の父を子をの戸籍に記載あしたいと希望していることにより出生届がされないことにより無戸籍者となってしまうことが無戸籍の原因の6~7割を占めるとのことです。

 

令和1年12月10日時点の統計では全国で把握された無戸籍者は2,710名で解消率70%、神奈川県内では201名で解消率は65%とのことです。

~無戸籍者の救済措置、戸籍を得るための手続~

 

無戸籍者であっても要件を満たして適正な手続をすれば、住民票への記載や、児童福祉行政上のサービスを受けることや、国民健康保険証の取得、就学、婚姻などをすることはできるとのことです。

 

また、①嫡出否認②親子関係不存在確認③認知④就籍(親が不明なケース)に係わる家裁の調停や裁判を経たうえで戸籍を得るための手続があるとのことで、各手続についても説明をしていただきました。これらは法務省のホームページでも図とともに説明がされています。

 

井戸まさえ先生の熱い講義は是非とも参加者全員に生で受講してもらいたかったところ感染症対策から受講者はWeb参加となりましたが、ため息を掬い上げて支援に繋ぐ、業務に繋ぐというプロセス、法律や制度の不備を発見して制度改善を実現へ向けて行動していくマインドを参加者全員が感じ取ることができる素晴らしい研修会でした。